こんな方におすすめ
- フローチャートの書き方がわからない方
- フローチャートをきれいに効率よく書きたい方
- フローチャートの書き方のコツを知りたい方
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- そもそもフローチャートとは?
- なぜフローチャートを作る必要があるのか?
- フローチャートの書き方
- パワーポイントを用いたフローチャートの書き方
- フローチャートを書く上での注意点とコツ2選
学生実験の予習で「実験過程のフローチャートをノートに記述しなさい」というのが結構あると思います。
フローチャートを初めて書く学生さんや,書き方は知っているけどいい方法はないのかと探している方もいると思いますので,そんな方に向けた記事となっています。
この記事を読むことで,フローチャートの効率の良い書き方を知ることができます。
Contents
そもそもフローチャートとは?
学生実験におけるフローチャートとは,実験手順を「□」や「―」などの記号を用いて,視覚的にわかりやすく表示したものをいいます。
一般的なフローチャートでは,分岐,ループなど要素がたくさんありますが,学生実験で用いるフローチャートの記号は直線「-」と四角「☐」だけで十分だと思います。
学校や担当教員から書き方に関しての指示が無ければ個人的には,直線「-」だけでいいと思います。
なぜフローチャートを作る必要があるのか?
実験の予習の時に「実験の流れをフローチャートに示しなさい」という課題をよく目にすると思いますし,今後もたびたび登場すると思われます。
なんでこんな面倒くさいことをさせるんだと感じる方もいると思います。しかし,フローチャートは非常に大切です。
フローチャートを書かせる理由は,
- 実験を効率よく進めるため
- 実験手順の理解を確認するため
だと考えています。
少し確認してみましょう。
実験を効率よく進めるため
フローチャートは,実験内容を図を用いて,視覚的にわかりやすくまとめたものだと説明しました。
テキストに掲載された文字を読みながら実験を進めていくのは時間がかかり,疲労も蓄積してしまいます。
以下の例で比較してみましょう。
テキスト
酢酸34.0 mL(35.7 g,0.595 mol),エタノール56.8 mL(44.9 g,0.974 mol),濃硫酸5.0 mLを量り取り,混ぜ合わせた。
フローチャート
明らかに,フローチャートの方が見やすく,「何をするのか」が視覚的に理解できますよね。
このように,フローチャートは実験手順をわかりやすく示してくれるツールと言えるでしょう。
実験内容の理解を深めるため
フローチャートを書く目的は,もう一つあります。
それは,「実験内容がきちんと理解できているかを確かめるため」です。
フローチャートは,テキストに記載されている文章を簡潔に図でまとめる作業を必要としますから,実験内容がきちんと整理できていないと見やすいフローチャートを書くことはできません。
逆に,きちんと実験手順が頭に入っていれば,すらすらと書くことができます。
一定の慣れも必要ですが,フローチャートの出来具合は,実験手順の理解度に比例すると押さえておくといいでしょう。
フローチャートの書き方
では,いよいよ学生実験におけるフローチャートの書き方をご紹介していきたいと思います。
まず,フローチャートは大雑把に以下の方法で書くことができます。
- パワーポイントで書く
- 手書きをスキャンする
おすすめは,①パワーポイントで作図することです。
学生実験で用いる図形は,「□」や「—」くらいなので,複雑な図形は必要ないからです。
しかしながら,学校や担当者によっては書き方も多少変わってくると思われるので,臨機応変に対応していただけたらと思います。
目的に応じた使い分けとしては,
フローチャート作成方法
- 使う図形が「□」や「—」のみ ⇒⇒⇒ パワーポイント
- パソコンは使いたくない,スキャンも許される ⇒⇒⇒ 手書きをスキャン
といった感じでしょうか。
本記事では,パワーポイントを用いたフローチャートの書き方をご紹介していきます。
パワーポイントを用いたフローチャートの書き方
それでは具体的に,パワーポイントを用いてフローチャートを書いていきましょう。
今回は,
酢酸34.0 mL(35.7 g,0.595 mol),エタノール56.8 mL(44.9 g,0.974 mol),濃硫酸5.0 mLを量り取り,混ぜ合わせた。
この一文を例にフローチャート化していきます。
step
1「挿入」⇒「図形」⇒「テキストボックス」を選択する。
step
2実験で用いる試薬を記述する。「酢酸 34.0 mL」と記述。
step
3Ctrl+Eで,テキストを中央寄せにし,Ctrl + Bで太字にする(任意)。
step
4「挿入」⇒「図形」⇒「線」を選択する。
step
5線の色を「黒」,太さを「2.25 pt(任意)」に変更する。
step
6線を選択し,右クリック⇒「既定の線に設定」を選択する(こうすることで,次に作成した線も変更済みの線に変わる)(これも任意)。
step
7テキストの下に線を添える。
step
8Ctrl+Aで全選択し,Ctrl+Gでグループ化しておく。
step
9グループ化したものをCtrl+Cでコピーし,あと2つ,Ctrl+Vで貼り付ける。その後,物質名,秤量値を変更する。
step
10「挿入」⇒「図形」⇒「線or線矢印」を選択し,残りを完成させる。
step
11 完成したら,Ctrl+Aで全選択し,Ctrl+Gでグループ化 ⇒ Ctrl+Cでコピーし,レポート(ワード)にCtrl+Vで貼り付ける。(貼り付けた時のオプションは「図形」がおすすめです。)
以上でフローチャートは完成です!
フローチャートを書く上での注意点とコツ2選
フローチャートを書く上での注意点とコツは以下の通りです。
- 簡潔に書く
- 物質名,試薬名,装置等の名詞から書き始める
簡潔に書く
これは,当たり前のようで,意外と難しい落とし穴です。
ところで,上の例で示した「酢酸34.0 mL(35.7 g,0.595 mol)」という部分で,「(35.7 g,0.595 mol)」という部分を意図的に除いたことにお気づきでしょうか。
これはなぜかというと,フローチャートは実験中に実験手順を見やすくするためのものであって,「0.595 mol」なんて情報は直接必要ないからです。
また,「ビーカーに入れる」などの表記も当たり前な過程は省略してしまうことで,よりシンプルにフローチャートを書くことができます。
このように,必要な情報だけをピックアップすることが重要です。
物質名,試薬名,装置等の名詞から書き始める
学生実験のフローチャートをうまく書くコツとしては,「物質名,試薬名,装置等の名詞から書き始める」ということです。
また,具体例を見てみましょう。
ノギスとマイクロメーターを用いて,ある試料の直径を測定する。その試料は細長いものだとする(針金など)。まず,ノギスを用いて,直径を測定する。試料の左端,中点,右端の3カ所を3回ずつ測定する。次に,マイクロメーターを用いて,同様に測定する。
この文章をフローチャート化してみましょう。
良い例
ポイントは,道具(名詞)からフローチャートを書いていくことです。
残念な例を挙げてみます。
残念な例
少し見にくいですよね。
このように名詞から書き始めることで,簡単に見やすいフローチャートを書くことができますので,ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
今回は,学生実験で必ずと言っていいほど書かされるフローチャートの書き方をご紹介してきました。
フローチャートは主に,「実験方法」の欄に書くことが多いので,覚えておきましょう。
わかりやすいフローチャートを書くことで,実験がスムーズに行えることを実感してみてください。