こんな方におすすめ
- 実験レポートの原理の書き方を知りたい方
- 原理に何を書けばよいか悩んでいる方
- 原理の書き方のコツを知りたい方
本記事の内容
- なぜ原理を書く必要があるのか?
- 原理の書き方
- 原理を書く上での注意点
物理実験でよく,背景と一緒に書かれるのが原理。
比較的,原理はレポートの構成を握る重要な項目ではないものの,きちんと書き方を知っておかないと,減点をくらう可能性があります。
本記事で,原理の書き方をマスターしてくださいね。
なぜ原理を書く必要があるのか?
原理は,実験に必要な前提知識や専門知識を記述する項目です。
原理は物理実験を行ったときに書くものであり,化学実験や生物実験では通常書きません。
そもそも原理はなぜ書く必要があるのでしょうか?
それは,後で使うからです。
どういうことかというと,結果や考察の時に,専門知識などの前提となる知識を利用して,議論を進めていくことが多いからです。
例えば,運動方程式が世の中で一般的に知られていないとして,いきなり結果や考察で運動方程式に得られたデータを入力して計算しても,読み手にとっては何をしているのかわからなくなるといった感じです。
まあ,運動方程式を知らない人はまずいないと思いますが,イメージで言えばこのような感じです。
ですから,結果や考察で使うであろう,定義や定理,公式を原理で先に書く必要があるというわけです。
原理の書き方
実験レポートの書き方の記事の手順でもお話ししていますが,原理は,結果や考察の後に書くことをおすすめしています。
結果・考察⇒原理の順で書くことによって,原理に書かなければいけない公式等が容易に想像できます。
この順序がもし逆になってしまったら,結果と考察を書いていないので,原理に何を書けばいいかわかりませんよね。
つぎに,具体的に書き方を見ていきますが,原理を背景の中に含めるパターンと原理だけで独立して書くパターンに分けて説明したいと思います。
①原理を背景の中に含めるパターン
原理を背景の中で記述する場合は,自然な文章の流れで記述する必要があります。
例えば,酢酸エチルを合成する実験の場合,結果・考察で,酢酸エチルの収率について言及したとします。すると,原理には,「収率の求め方を記述した方がいい」となります。
そして,その書き方としては,

と,こんな感じです。ポイントは,「平衡反応だから収率が異なる」ということについて言及することで,収率の計算式に自然と持ち込むということです。
数式の挿入方法などは以下の記事を参考にしてみてください。
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実験レポートでよく使うワード数式コマンド一覧!
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②原理だけで独立して書くパターン
原理を背景に含めず,原理という項目だけで独立させる場合は,ひとつひとつの公式や定義について章立てすることをおすすめします。
ここで例を示してみます。

あまり細かく章立てすると,読みにくくなってしまうため,章立ての数は多すぎず,少なすぎずを心がけましょう。
原理を書く上での注意点
最後に,原理を書く上でやりがちなミスについて説明しておきます。
それは,本実験に関係のない原理を書いてしまうことです。
これは,原理を背景の中に含めるパターンで生じやすいです。
というのも,背景の文章を埋めることに一生懸命になりすぎて,関係のない文章まで突っ込んでしまうケースが考えられるからです。
これは意識していないと,やってしまうミスですから,書きながら常に意識しておきましょう。
これを防ぐには,やはり,結果・考察 ⇒ 原理の順で書くことだと思います。
この順で書くことで,原理に書くことが明確になり,余計なことを書くことが無くなると思います。