こんな方におすすめ
- 実験レポートを素早く終わらせたい方
- エクセル操作が苦手な方
- 実験のデータ整理をエクセルで行う方
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- エクセルの便利な機能を使うメリット
- 実験レポートで使えるエクセルの便利な機能一覧
学生実験において,データの整理は欠かせません。
データの整理には,エクセルなどの表計算ソフトを用いる方が多いと思いますが,整理に時間がかかってしまって,できるだけ時短で行いたいという方がおられると思います。
本記事はそんな時短効果とストレスフリーを狙ったエクセルの便利機能5選を紹介します。
Contents
エクセルの便利な機能を使うメリット
まず,具体的なエクセルの便利機能をご紹介する前に,便利機能を習得するとどんなメリットがるのか確認していきましょう。
- レポートのデータ整理が速くなる
- ストレスが減る
レポートのデータ整理が速くなる
言わずもがなですが,エクセルの便利機能を使いこなすことで,データ整理が速くなります。
ここでいう,データ整理とは,表の作成,グラフの作成はもちろんのこと,エクセルを用いた計算のことです。
実験で得られた生データをエクセルに入力して,ゲットしたい実験結果や考察結果を取得するために必要な計算をして,表やグラフにまとめるといった一連の流れはほぼエクセルで完結します。
逆に言えば,エクセルでのデータ整理が終わってしまえば,レポートの50%程度は終わったと言っても過言ではないでしょう。
ですから,このデータ整理に時間がかかれば,レポートを終わらせる時間もそれだけかかってしまいます。
便利機能を覚えていただくだけで,はるかな時短が期待できます。
ストレスが減る
もうひとつのメリットとしては,ストレスが減るということだと思います。
データ整理を行っているときに,「この操作もっと楽にできないのか?」と思った経験がある方も多いと思います。
それが,解決できた時には,今まで期間をかけてやってきた操作がばかばかしくなると同時に,一発でその操作を行えたりできるので結構気分が良くなります。
それでは,前置きはこの辺にしてさっそくレポートに使えるエクセルの便利機能をご紹介していきます!
実験レポートで使えるエクセルの便利機能
- テンプレート
- ショートカット
- 関数
- オートフィル
- 貼り付けオプション
- セルの入れ替え
ひとつずつ見ていきましょう。
テンプレート
テンプレート機能は,一度設定したオリジナルの書式設定などを保存し,呼び出せる機能です。
グラフについては,エクセルの初期設定ではレポートに不適切な書式になっているので変更する必要があります。
しかし,一から何度も直していくのは非常に時間がかかってしまいます。
そんなときに活躍するのが,テンプレートです。
こちらは,以前にも紹介しました以下の記事で詳しく説明しています。
エクセルを用いた学生実験のグラフの書き方~効率の良い書き方~
続きを見る
ショートカット
ショートカットは,マウスで行っていた操作をキーボード上で行える機能です。
マウスに手を触れている時間が多いほど,時短からは程遠くなります。
ぜひマスターしてください。
時短につながるショートカットキーの一覧を以下の記事に載せていますので参考にしてください。
レポート作成時に役立つ便利なショートカットキー一覧
続きを見る
関数
実験データを整理する上で欠かせないのが,関数の存在です。
データの平均値,最大値,最小値,標準偏差などは関数を用いることになります。
以下に,実験レポートでよく用いる関数をまとめてみました。
- 合計 sum(データ範囲)
- 平均 average(データ範囲)
- 四捨五入 round(数値,桁数)
- 標準偏差 stdev(データ範囲)
詳細は,別記事で解説する予定です。
オートフィル
この記事で一番紹介したかった内容がオートフィル機能です。
まず初めに,オートフィル機能ってなんや?って方は,今すぐ覚えましょう。
非常に,損しています。
私自身,初めて知った時は感動しました。
オートフィル機能とは,コンピューターが,人間が意図していること(すでにセルに入力してある情報)をくみ取って入力を補助してくれる機能です。
オート(auto:自動で)フィル(fill:埋める)機能ですね。
オートフィル機能をデータ整理で使うときは,主に以下の2つの機能を使います。
- 予測入力
- 数式の自動入力
予測入力
これは,セルに「1」「2」と入力すると,自動で,「3」「4」,「・・・」と入力してくれる機能です。
では実践してみましょう。
まずは,連続で,1,2,3,,,,,9,10と入力してみましょう。
まず,1,2とだけセルに入力します。右下のチョボをC13までドラッグしてみましょう。
すると,コンピューターが自動で,10まで入力してくれます。
次に,5を連続で入力してみましょう。コピーでも連続入力できますが,オートフィル機能の方が速いです。同様に,やってみると,
このように,5が連続で入力されます。
オートフィル機能は,ある一定の繰り返しも入力してくれます。1,10,1,10のように繰り返し入力させてみましょう。まず,セルに1,10と入力して,オートフィルしてみてください。
すると今度は,期待通りにはいかなかったですね。これは,コンピューターがデータを「連続データ」として認識し,1,10,19,,,,と交差9の等差数列として認識しているためです。図のように,右下のマークをクリックすると,
オプションが出現します。実は,オートフィル機能には複数の機能があり,初期設定では,「連続データ」になっています。今回は,1と10の繰り返しにしたいので,一番上の「セルのコピー」を選択しましょう。
これで,無事1と10の繰り返しができました。
数式の自動入力
オートフィル機能でよく使うもうひとつの機能に,数式の自動入力があります。
これは,既に入力した数式を自動で入力してくれる機能です。
これも,実際にやってみましょう。E列にC列とD列の数値の和を入力していきます。
まず,E4に「=C4+D4」と入力してEnterを押します。
ここからはいつもどおりで,右下のチョボをE13までドラッグします。
すると,このように自動的に数式を読み取り,入力してくれます。
しかし,この数式をコピーする方では,もうひとつ速い方法があるのでご紹介します。E4に数式を入力するまでは同じです。実は,右下のチョボをダブルクリックするだけで,値が入力されているセルまで自動的に計算してくれるのです。
これは,データが数十個,百個までならまだしも,数千個とかになってくるとこのダブルクリックの威力が発揮されます。これはぜひ覚えていただきたい便利機能です。
貼り付けオプション
これは,エクセル,ワード,パワポどれにも言えることですが,コピーしたものを張りつけるときに貼り付けオプションが使えます。
貼り付けオプションは,貼り付ける際に「どんな情報を貼り付けるか」ということを選べる機能です。
貼り付け先の状況に合わせて適切なオプションを選ぶことで,時短につなげることができます。
貼り付けオプションについては,別記事で詳しく解説する予定です。
セルの入れ替え
「コピーしたものを間違って,別のセルに貼り付けてしまった」とか,「このセルの内容とこのセルの内容を入れ替えたい」というときに使います。
具体例を見た方が速いので,見ていきましょう。
E列とF列を入れ替えてみましょう。
まず,E3からE13を範囲選択します。そして,外枠の上にカーソルをもっていくと,カーソルのマークが移動マークに変わると思います。
そこで,移動マークの状態になったカーソルをドラッグしたまま,Shiftキーを押すと,記号が出てきます。F列とG列に来た時に,カーソルを離して(ドロップして)ください。
これで,入れ替えが完了しました!この例では,となり同士の範囲を入れ替えましたが,離れている場合でも同じようなことができます。また,この例では,横に移動しましたが,たてに移動することもできます。
まとめ
本記事では,
- テンプレート
- ショートカット
- 関数
- オートフィル
- 貼り付けオプション
- セルの入れ替え
というエクセルの時短機能を説明してきました。
特に,オートフィル機能は,知っている人と知らない人で大きな差がついてしまうところですから,ぜひとも使いこなしてほしいところです。