実験レポート

学生実験のレポートの書く順番と注意点3選

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こんな方におすすめ

  • 大学に入学したばかりで,学生実験が始まったけど,レポートの書き方が全く分からない
  • 学部2,3年だけど,学生実験のレポートの書き方をもう一度見直したい
  • めんどうくさいレポートを効率よく終わらせたい

こんなお悩みを解決します。

本記事の内容

  • 大学に入学したばかりで,学生実験が始まったけど,レポートの書き方が全く分からない
  • 学部2,3年だけど,学生実験のレポートの書き方をもう一度見直したい
  • めんどうくさいレポートを効率よく終わらせたい

今回は,理系大学生の方が必ずと言っていいほど苦しむ学生実験のレポートの「書き方」をお話ししていきます。

まだ,大学に入学して間もない学生さんがいきなり実験レポートのような論理的文章を書けと言われても大変ですよね。

しかし,レポートの構成やレポートを書く際の注意点を意識するだけで,他の学生さんよりも効率よく終わらせることができ,美しくまとまった読みやすい文章を書けるようになります。

初めは,論理的な文章を書くことに頭をひねらせることも多々あると思いますが,慣れてしまえば,すごく早く終わらせることが可能です。

それでは早速ご紹介していきます!

そもそもレポートを書く目的って?

まずは,学生実験のレポートを書く目的を確認していきましょう。

レポートとは,報告書のこと

レポートとは,報告書のことです。

つまり,自分が行ったこと(実験,研究)を相手(読者,他の研究者)に伝えることを目的としています。

自分が行ったことというのは,具体的には,学生であれば実験結果であったり,研究者であれば研究結果,研究成果であったりします。

特に,大学生が行う学生実験の目的は,上記というよりはむしろ,

  1. 理解度の報告
  2. 理解度の確認
  3. 卒研の練習

だと考えています。

以上の目的を見失うと,うまくレポートが書けません。

書き終わったとしても,方向性のない,一貫性のない文章になってしまいます。

また,体裁が整わないというデメリットも生じます。

それでは,具体的に見ていきます。

①理解度の報告

まず一つ目の目的は,自分の理解度を他者に報告するためです。

つまり,「わたしは,取り組んだ実験題目に対して十分理解できていますよ」ということを教授やTA(Teaching Assistant)に伝えるためです。

実験はやって終わりではありませんよね。

どんな実験を行ったのか,その実験から何が得られたのか,どんな結論に至ったのか,などを他者に報告する必要があり,それをもって実験と言えます。

他者に伝えるためには,わかりやすく文章を書く,読みやすい体裁を心がけるという2点が大切になってきます。

学校によっても多少異なるとは思いますが,「実験」という授業は,座学の授業とは違って,理解度を試すテストというのがないところもあると思います。

では,ここでいう他者とはだれのことでしょうか?

そうです,教授やTA(Teaching Assistant)ですよね。

彼らに,「自分はきちんと理解できてるんや!」ということを意識して書いてみてください。

それを意識するだけで,文章の書き方や文末の表現が自然と変わってくると思います。

②理解度の確認

①で他者に伝えるためと書きましたが,同時に意識しなければいけないのが,「自分は,取り組んだ実験題目に対して,こんなところを理解できていて,こんなところが理解できていなかった(できていない)」ということを自身で再確認・再整理し,再学習するためです。

実験題目に対する理解度が乏しいと,実験中もレポートを書く際もなぜこのようなことをしているのか(したのか)を理解できません。

それは特に,「考察」を書いているときに感じるはずです。

自分で,レポートを書きながら「自分はここがわかっているけど,ここがわからないな」と理解ができているところとできていないところをきちんと区別しましょう。

そして,今後の学習につなげていきましょう。

③卒研の練習のため

3つ目の目的は,学部4年生で行う卒業研究の練習のためです。

理系の大学生であれば,4年生で卒業研究に着手すると思います。

卒業研究では,当たり前ですが,学生実験よりも求められる基準が高くなります。

卒研が終われないと卒業できないので,学部1~3年のうちにきちんと体裁や書き方のコツを身に着けておく必要があるのです。

学生実験のレポートの構成とは?

次に,レポートの構成を見ていきましょう。

学生実験のレポートを書く上で,構成は非常に大事になってきます。

学生実験のレポート構成は学校によって多少異なりますが,おおまかには以下のようになります。

  1. 背景
  2. 原理
  3. 目的
  4. 実験方法
  5. 結果
  6. 考察
  7. 結論
  8. 参考文献

1の背景・原理・目的は3つを一緒の項目として扱いましたが,背景と目的を同じ項目に,すべて別項目にするなど,これもまた学校によって異なるため参考程度にしてくださいね。

①背景(緒言)

背景とは,レポートを書く際に一番初めに書くことが多いです。この項目では,実験題目に関する前提知識や実験をする意義,また時代背景を述べることになっています。

詳しくは以下の記事で紹介します。

実験レポートの背景の書き方とポイント

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②原理

こちらの項目は,おもに,物理実験を行った際に書く項目です。

化学実験では,書かないことが多いです。

原理の項目では,実験の結果や結論を導くために必要な公式や定理,定義などを記述することになっています。

原理の書き方については以下の記事を参考にしてください!

実験レポートの原理の書き方とポイント

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③目的

目的の項目に,実験の目的を記載します。

注意しておきたいのが,実験を通じてどんな結果を取得したいかを意識して記述する必要があるということです。

間違っても,ここで「~という実験装置の使い方を習得するため」や「~の観察の仕方を学ぶため」などと記述してはいけないので注意しましょう。

④実験方法

実験方法の項目では,実際に実験を行った手順,実験条件などを記載します。

ここで気を付けておきたいのが,「実際に行ったことを記載する」ということです。

当たり前のように聞こえますが,意外と見落としがちです。

例えば,実験テキストには「試薬5 mL秤量し,」と書かれてあったが,実際実験を行った際に,秤量したら,「5.38 mL」であったのならば,レポートには後者の「5.38 mL」を記載しなければいけません。

いくら実験テキストに書いてあっても,実際に行った実験条件を記載する必要があるのです。

また,実験方法の項目の文末はすべて過去形(~した)で記載しましょう。

上手く書くコツとしては,自分の書いた文章を見ただけで,第三者が同じ実験条件で実験ができることを想定することです。

詳しくはこちらの記事で解説しています。

実験レポートの実験方法の書き方と注意点

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⑤結果

結果の項目では,実験で得られた結果を記載します。

結果の項目も実際に行ったことを記すわけですから,文末は過去形(~した)で統一しましょう。

この項目には,積極的に,表やグラフ,図,写真などを用いて,実験で得られた数値や情報をまとめたり,わかりやすく伝えたりする必要があります。

この項目を書きながら,自分の中で,「確かに,こういう結果が得られたよな」と思い起こしながら書いていくのもいいと思います。

注意しておきたいのが,結果の項目には,実験を行ったことからわかる客観的な数値,データ,情報を記すということです。

例えば,以下のような実験結果が得られたとします。

このグラフから得られる,客観的なデータとは何だと思いますか?

あまりにも簡易的すぎるグラフではありますが,ひとつ例を挙げるなら,「xが増加するとyも増加する」とかです。

間違った書き方としては,「原点を通る2次曲線になる」とかですかね。

なぜなら,この曲線の式を求めていないため,2次曲線とは言えないからです。

見た目だけで,何次関数みたいな表記をするのは,客観的ではなく,主観的な意見になってしまいますよね。

客観的な主張とは,だれが見ても同じように解釈できる主張のことです。

そこを意識して書いてみるのがおすすめです。

以下の考察でも述べますが,感想などは書いてはいけないので注意しましょう。

グラフや図表の記載の仕方は以下の記事で詳しく紹介しています。

エクセルを用いた学生実験のグラフの書き方~効率の良い書き方~

続きを見る

学生実験レポートの表の書き方~エクセルを使って~

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⑥考察

考察の項目は,「実験で得られた結果から何が言えるか」,「なぜその結果になるのか」などを,参考文献等を引用しながら(or参考にしながら)記載する項目です。

考察の項目は,学生実験レポートで最も配点のウェイトが大きいところだと思います。

考察の項目を制する者がレポートを制すると言っても過言ではないでしょう。

考察の項目をうまく書くには,その実験題目に対する知識がないと,全く書けないので注意しましょう。

参考文献を引用しただけで,自分でそれを解釈し,自分の言葉で言い変えないと,理解していないことが読み手に伝わってしまうからです。

読み手は先述したとおり,教授やTAであるため,断然学生たちより経験値や知識は豊富であるため,「こいつわかってないな」となり,ただ文献を引用しただけだとみなされ,減点などという場合も考えられます。

大事なのは,文献を引用して,つまりこういうことだと自分の言葉で置き換える方が望ましいと思います。

学生実験の目的を思い起こしてもらえれば明らかですが,学生の理解度を確認するのも目的のひとつですから,「自分はわかっているんだ!」ということが読み手に伝わるように書きましょう。

以下の記事で考察の書き方を詳しく解説しているので,参考にしてください。

実験レポートの考察の書き方

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⑦結論

結果と考察でごちゃごちゃと書いてきたわけですが,この結論の項目で結果と考察で述べてきたことを数百字程度でまとめることになります。

おそらく学校によってまとめる字数が異なるので指示に従いましょう。

結論で最も重要なことは,目的に対応した内容を書くことです。

例えば,目的に,「酢酸エチルの収率について,実験値と文献値を比較し,その誤差を求めるため」と記述したら,結論には,「酢酸エチルの収率について,実験値と文献値を比較した結果,15%のずれが生じた」と記述するということです。

この例では,「誤差」を,結論できちんと数値として「15%」と結論付けているということが大切です。

⑧参考文献

参考文献の項目は大体,レポートの最後に記載することが多いと思います。

あくまで個人的な意見ですが,参考文献は,多い方がいいと思います。

なぜなら,「たくさん調べて勉強しているな」と読み手に伝わり印象が良いからです。

これは,むやみに多ければいいという意味ではありませんから注意しましょう。

書き方については,以下の記事で紹介しています。

実験レポートの参考文献の書き方とコツ

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レポートを書く順番は決まっている

これまで,レポートの各項目について書き方と内容を確認してきました。

ここで,押さえていいただきたいのが,レポートの書く順番は決まっているということです。

もちろん上から書いていくんでしょ?と思った方,あるいは今までそうしてきた方は,少し見直してみるのもいいかもしれません。

次に示す順番通りに,レポートを書いていくと,非常に書きやすく,各項目で整合性が取りやすいためおすすめです。

レポートを書く順序

方法 ⇒ 結果 ⇒ 考察 ⇒ 結論 ⇒ 目的

目的は最後に書くのがおすすめです。

この理由に,目的と結論が対応していなければいけないという制約があるからです。

本来なら,目的ありきの結論ですが,レポートを書く上では,逆の方がはるかに書きやすいです。

一連の流れを例を挙げて見てみると,

レポートを書く順序【例】

「~という方法で酢酸エチルを採取した(方法)」⇒

「酢酸エチルの収率について,実験値を計算した(結果)」⇒

「誤差を計算したら15%のズレが生じて,これは~という理由だから(考察)」⇒

「誤差は15%でした(結論)」⇒

「酢酸エチルの収率について実験値と文献値でどのくらいの誤差が生じるのかを明らかにするため(目的)」

非常にざっくりしていますが,こんな流れになるかなと思います。

結論から書くというお話をしましたが,結論をまとめるために,まずすべきことがあります。

それは,実験データをエクセルなどの表計算ソフトを用いて,データや情報を表やグラフにまずまとめることです。

この過程を後回しにしてしまったり,レポートを書きながら同時進行したりしてしまうと,自分が何をしているのかを見失ってしまう可能性が高くなります。

目的地(結論)が定まっていなかったら,ゴールにたどり着くまでどうやって行けばいいか(目的,方法,結果,考察など)なんてわかりませんよね。

それと同じだと考えていただけたらいいと思います。

レポート作成時の注意点

レポートを書く際の注意しておかなければならない点をまとめてみました。

  • 色彩は基本的に白黒
  • フォントと字体
  • 結果と考察の区別

①色彩は基本的に白黒

レポートは報告書ですので,見やすくまとめることがベストです。

文章には,黒字を用いて書いていきましょう。

強調したい箇所があるからと言って,赤字にしたり,マーカーを付したりするのは避けましょう。

②フォントと字の大きさ

フォントと字の大きさにも気を使いましょう。

例えば,「『3.結果』という箇所だけフォントを変えて大きくする」なんてことはしないでいいということです。

太字(ボールド体)は使う機会がある可能性はありますが,めったに使うものではありません。

基本的には,最初から最後まで同じフォントで統一し,大きさもずっと同じままでOKです。

通常,フォントは「游明朝」,「Century」,「Times New Roman」あるいは,全角は「游明朝」で半角は「Century」といった感じが多いと思います。

もちろん,学校からの指定があれば,それに従ってください。

③結果と考察の区別

ここで,結果と考察の違いを簡単に確認しておきましょう。

結果は,実験から得られた客観的なデータ

考察は,結果から何が言えるか,なぜその結果になるのか

をそれぞれ記載するんでしたね。

例えば,エステルの合成で,酢酸エチルという物質の収率を計算することにします。

さて,収率の計算は結果と考察のどちらに書くべきでしょうか?

答えは,結果です。

結果には,客観的なデータを書くのでしたよね。

計算して得た収率(例えば,20%)はその実験から得られたデータをだれが見ても(だれが計算しても)おなじ20%という結果が得られるはずです。

よって,考察には,「なぜその収率になったのか?」を記すことになります。

例えば,参考文献には「30%」と表記されていたら,実験から得られた「20%」というのは小さい値になるので,「なぜ収率が小さくなるのか」などを考察に書いてみるのがいいと思います。

補足ですが,場合によっては結果と考察を「結果・考察」などのように,一緒の項目にまとめてしまうこともあると思います。

その場合は,結果⇒考察の順に書くのはもちろんのこと,前半で客観的なデータを書き(結果の要素),後半でそれがなぜ起こるのか(考察)という流れで書くといいと思います。

まとめ

レポートの書き方から構成,注意点を説明してきましたが,いかがでしたか?

特に,学生実験のレポートを書く順序を意識してもらうだけで,楽に,かつ速くレポートを書き終わることができます。

ぜひ,意識して取り組んでみてください!

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