こんな方におすすめ
- 実験レポートの書き方を知りたい
- 実験の予習からレポート提出までの流れを確認したい
本記事の内容
- 予習について
- 実験当日について
- 体裁について
- 各項目について
- レポートを書き終わったら
- 提出について
本記事では,実験中に何に気を配ればレポートを早く終わらせることができるか,背景・考察といった各項目の書き方,提出までの流れを具体的に実践的にまとめています。
本記事を読めば,予習段階・実験当日から実験レポートを提出するまでの一連の流れをおさらいできるようになっています。
予習について
みなさん,実験をやる上で予習はきちんとしているでしょうか。おそらく8割の学生さんが真剣に取り組んでいないように思われます。
それもそのはず,予習は実験とは直接関係ないから手を抜いてしまう方が多いのです。予習事項はTAに見せてOKをもらわないと減点になってしまうから仕方なくやっている,という声が聞こえてきそうです。
予習のメリット
しかし,予習を行うことによるメリットは時間をかけるほど大きなものになります。予習をするメリットは,①あらかじめ危険を予測できる,②実験をスムーズに進めることができる,③ 実験内容が定着しやすいということです。
予習のメリット
- あらかじめ危険を予測できる
- 実験をスムーズに進めることができる
- 実験内容が定着しやすい
予習には時間をかける
ですから,必ず予習には時間をかけて取り組むことをおすすめします。予習に時間をかけるほど,実験当日に大きな恩恵を受けることができます。
予習をきちんと行っておけば,あらかじめどの実験過程で危険なことをするのか,どの試薬とどの試薬を混ぜたら危険なのかという危険予測ができますし,実験手順がどんどん頭に浮かぶことによって実験をスムーズに進めることができます。
また予習がきちんとできていれば,実験レポートを書く際にも実験当日の風景を鮮明に思い出すことが容易になり,レポート作成時の方法や結果・考察などの項目がスラスラ書けてしまいます。
では,具体的にどのようにして予習をしていけばよいのでしょうか。
ここでは,おおまかに説明していきます。具体的な予習方法は以下の記事で紹介しています。
学生実験の予習の仕方とそのコツ
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テキストを読み,わからない単語は事前に調べておく
まずは,「①どんな内容の実験なのか」に着目ししながらテキストを読み進めていきましょう。まずは軽く流し読み程度でいいと思います。例えば,「エステルを合成する実験なんだな」とかでいいということです。
「どんな内容なのか」が把握できたら,次は文中で登場する専門用語などのわからない言葉を調べるようにしましょう。
そして,調べ終わったら「②結果として何を求める実験なのか」に着目してテキストを読み進めてください。例えば,「酢酸エチルの収率を求めるんだな」といった感じです。
次は,「③その結果をどのような方法(手順)で取得するのか」に着目します。例えば,「エタノールと酢酸を混ぜるんだな」といった感じです。
この①~③を行えば,予習の半分は終わったと言っても過言ではないと思います。①~③を行う上で,実験の風景を頭の中でできるだけ具体的にイメージすることが大切です。
実験の流れをフローチャートにまとめる
次に,実験のもっと具体的な方法を理解し,フローチャートにまとめましょう。先ほど行ったのは,抽象的な方法でしたが,次はもっと具体的な方法に踏み込みましょう。例えば,「エタノール3 mgと酢酸4 mgをビーカーに入れて混ぜるんだな」といった感じです。
ただし注意しておきたいのが,フローチャートには,「ビーカー」といった実験器具の名称は書く必要がないということです。なぜなら,ビーカーに入れるのは当たり前すぎて,フローチャートを見にくくしてしまうからです。
「ビーカーに入れて」という部分はあくまで頭の中のイメージにとどめておきましょう。
試薬のSDSを調べておく
化学実験や生物実験に限った話ですが,実験で使う試薬はインターネットでSDSを調べる癖をつけておきましょう。「試薬名 SDS」とググれば,企業が公開している試薬の情報を見ることができます。
SDSを調べておかないと,誤って皮膚についてしまった場合や,他の試薬と混ぜてしまった場合などの対処方法がわかりません。また,事件を未然に防ぐ役割もあるので必ずSDSを調べおきましょう。
予習の出来具合で実験当日のパフォーマンスが変わる
ここまでは,予習についてお話ししてきました。予習の大切さについて理解いただけたかなと思います。ぜひとも,受動的な予習から能動的な予習にしてもらいところです。
予習についてのまとめ
予習のポイント
- メリット
- あらかじめ危険を予測するため
- 実験をスムーズに進めるため
- 実験内容が定着しやすい
- 予習は時間をかける
- わからない単語は事前に調べておく
- 実験の流れをフローチャートにまとめる
- 試薬のSDSを調べておく
実験当日について
予習がきちんとできていればスラスラ進む
さあ,実験当日になりました。まずは,実験が始まる前に実験ノートを見返し,予習しておいたフローチャートや専門用語について再度確認しておきましょう。ここで,実験の手順を頭に叩き込んでおくのです。そうすることで,実験途中で「あれ?次何やるんだっけ?」とはならなくなります。
TAによっては,レポートに書いてくるべき結果と考察についてアドバイスをくれる場合もあるようです。そのアドバイスが口頭の場合はきちんとノートにメモを取りましょう。
紙ベースで配られる場合は,TAによる補足などをメモりましょう。
ホワイトボードなどのメモは写真を撮る
ホワイトボードや黒板にアドバイスなどを書いてもらった場合は,メモるのではなく,まずは写真を撮ってよいかTAに許可を取りましょう。ホワイトボードのメモなどは情報量が多すぎてノートに写しているだけ時間の無駄ですから,一度に写真で収めてしまいましょう。
班のメンバーとLINE交換しておく
実験班のメンバーを大事にしましょう。実験班のメンバーとはLINEなどでメッセージを共有できる環境を整えておきましょう。学校指定のメールでも構いませんが,やはり現代において使いやすいのはLINEだと思いますし,やりとりもメールよりも素早く行えます。
LINEを班のメンバーと交換したら,グループを作り招待してください。LINEグループを作るメリットは,①不明点を共有できる,②写真を共有できる,③実験データを共有できるということです。
LINEグループのメリット
- 不明点を共有できる
- 写真を共有できる
- 実験データを共有できる
実験器具の写真を撮る
実験で使用した器具の写真をできるだけ取るようにしましょう。レポートに用いるかどうかではなく,写真が多いほどレポートを書く際に実験風景を思い返しやすいからです。
実験結果の様子を写真に撮る
また,実験結果の様子も写真に収めるようにしましょう。実験結果の写真は,ほとんどがレポートに使える写真だと思いますし,レポートの説得力も増すのでおすすめです。
TAに質問しておく
実験最中は,予習を十分に行っていてもわからないことが度々出てくると思います。そんな時は遠慮なくTAに質問しましょう。質問して答えてくれないTAはまずいないと思います。
なぜこの過程をするのか,何を考察すればよいのかなど,質問することは何でも構いません。質問することにより,班全体の理解度もあがり,班全体としてのレベルが上がります。
それにより,自分がレポートでつまずいた時などにLINEで質問しても議論が活発になります。実験班によって出来が様々であることは,有名な話です。
実験当日にやるべきことまとめ
実験当日のToDoリスト
- TAのアドバイスをノートにメモる
- ホワイトボードや黒板のメモは写真を撮る
- 班のメンバーとLINE交換しておく
- 実験器具の写真を撮る
- 疑問点をTAに質問しておく
体裁について
さて,実験も終わりいよいよレポート作成に移っていきます。まずは,レポートの体裁について確認しておきましょう。
紙サイズ・余白・フォント・色
レポートの基本体裁
体裁 | 説明 |
紙サイズ | A4(ワードの初期設定) |
余白 | ワードの初期設定でOK |
フォント | 游明朝 or MS明朝(日本語フォント) Century or Times New Roman(英数字フォント) |
フォントサイズ | 10.5~11 px |
色 | 文字は黒(グラフなどは他の色彩もあり) |
読みやすいレポートを目指そう~レポート体裁~
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図表
図のタイトルは図の下部,表のタイトルは表の上部に表示します。また,図表の前後の行は一行空けるようにしましょう。
読みやすいレポートを目指そう~レポート体裁~
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ページ番号・タイトル
ページ番号も忘れずに書くようにしましょう。ページ番号は,各ページ下の中央に表示します。「挿入」⇒「ページ番号」から表示させましょう。
実験題目,名前,学籍番号なども各ページの上部右に配置するといいでしょう。
ページ番号と学籍番号・名前の付け方
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単位
単位は,数式,グラフ,表につけます。単位は,物理量の大きさを表す尺度になります。単位がないと,その量がどのくらいの値なのかがわからなくなります。
数式であれば具体的な数値を代入するときに,グラフであれば軸ラベルに,表であれば一行目の凡例部にそれぞれ単位をつけるようにしましょう。単位は“ [ ] ”で記述するのがおすすめです。
また無次元の場合,単位を表記しない方がいますが,それだと単位の書き忘れだと勘違いされる可能性もあるので,無次元の単位は「a.u.」と記述するようにしましょう。
a.u.はarbitrary unitの略で「任意単位」というの意味があります。
体裁のまとめ
体裁のまとめ
- 基本体裁
体裁 | 説明 |
紙サイズ | A4(ワードの初期設定) |
余白 | ワードの初期設定でOK |
フォント | 游明朝 or MS明朝(日本語フォント) Century or Times New Roman(英数字フォント) |
フォントサイズ | 10.5~11 px |
色 | 文字は黒(グラフなどは他の色彩もあり) |
- 図のタイトルは図の上部に表示
- 表のタイトルは表の下部に表示
- ページ番号はページの下部中央に表示
- 学籍番号・名前・実験題目名はページ上部の右に表示
- 数式・グラフ・表には単位を書く
各項目について
さて,ここからは具体的な中身に入っていきます。各項目についての書き方について説明していきたいと思います。
まず各項目は,以下に分類されることがほとんどです。順番に見ていきましょう!
- 背景(緒言)
- 目的
- 原理(理論)
- 実験方法(実験手順)
- 結果
- 考察
- 結果および考察
- 結論
- 感想
- 参考文献
こちらの記事でも紹介しましたが,各項目は上の背景から順番に書いていくのではなく,書く順番を少し変えるだけで効率よくレポートを終わらせることができます。おすすめの順番は,
- 実験方法(実験手順)
- 結果
- 考察
- 結果および考察
- 結論
- 背景(緒言)
- 目的
- 原理(理論)
- 感想
- 参考文献
です。ポイントは,最初に実験方法,結果・考察から結論を導き出し,その後に背景という順番です。あとは,どのような順番でも構いません。では,その順番で詳しく見ていきましょう!
①背景(緒言)
理系大学生にとって最も強敵となり得るのがこの背景ですよね。僕自身一番嫌いです。だって,何書けばいいかわからんし。。。ですが,今はもうすっかり慣れてスラスラ書けるようになっています。コツがあるんですよね。
まず背景には何を書くのかというと,「なぜその実験を行うに至ったのか」ということです。はっきり言って,これに尽きます。しかしながら,「誰が学生実験でそんなこと考えてるんだよ!」という声が聞こえてきそうですが,その通りだと思います。学生実験は実験題目も学校側から強制ですし,自らやりたい実験なんてできません。
しかし,ここはあきらめて「『自分がこの実験・研究のテーマを自ら選択し,実行する」と仮定した場合」と考えなければ,この背景は書けないようになっているのです。
実際,卒論・修論・博論などでは,この背景(緒言,Introduction)でもっともつまずく研究者が多いそうです。
では,具体的に背景には何を書けばいいのでしょうか。それは,①実験を行う意義,②現在の社会情勢,③実験テーマに関する歴史,④自分の生活における身近なもの,この4つです。
背景に何を書けばよいか
- 実験を行う意義
- 現在の社会情勢
- 実験テーマに関する歴史
- 自分の生活における身近なもの
この中で個人的に書きやすいと思っているが,④自分の生活における身近なものです。つまり,「私たちの身の回りには,〇〇という製品があります。これは,☐☐という技術が使われています。」という書き出しにすると,違和感がなく背景をスタートさせることができるということです。その書き出しから,どんどん話を掘り下げていけばいいのです。
では,どのように話を掘り下げていけばいいのでしょうか。それは,逆三角形を意識することです。逆三角形というのはどういうことかというと,まず前半部分は抽象的な事柄を述べて,だんだんと具体的な話に落とし込んでいき,最後に実験の目的を記すといった流れのことです。
前半部分では,実験テーマに関する身の回りのこと,歴史,社会情勢などの抽象的なことを記述します。そして,抽象的な事柄のうち,実験テーマに最も関係のありそうな部分を拾い上げ,用語の説明や現在のどのような技術にそれが生かされているのかを論じるのです。
そして,徐々に実験の目的につなげていきます。おそらくこれが最も難しいところです。この実験背景から目的は自然につないでいく必要があるので,練習が必要です。
以下の記事で背景の書き方を詳しく説明しているので参考にしてください。
実験レポートの背景の書き方とポイント
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②目的
背景で少し触れましたが,目的は背景の後に書きます。目的には,実験結果を得るための目的を書きます。目的と背景との違いは,背景がこの実験をするに至った経緯を表すのに対し,目的は実験結果を得るための目的を表すということです。砕けた言葉で言うならば,背景には「世の中をよくするため」的なことを書いて,目的には「もっと具体的なアクション」を書くといった感じでしょうか。
目的を書く上で,最も重要なのが結論と対応させるという点です。対応させるというのは,結論が「〇〇だった」であれば,目的は「〇〇なため」と書くということです。もっと具体的に言えば,結論で「ばね定数は4 N/mmだった」であれば,目的は「ばね定数の値を算出するため」と書かなければならないということです。
ここからわかることは,目的と結論をセットで考えなければならないということがわかります。学生実験であれば,得られる結果は決まりきっているので,得られる結論もある程度はわかりきっています。そこで,まず実験結果から結論を導き出し,その後に,整合性の取れる目的を当てはめてしまえばOKなんですよね。つまり,結論が書ければ,目的はそれに対応させて書くだけですから,頑張るべきは結論なのです。
③実験方法(実験手順)
まずは実験方法を記述していきます。実験方法には,実験当日に実際行ったことのみを記述するようにしましょう。文章の骨組みは実験テキストで構いませんが,あくまで実際に行ったことを書くのでテキストに記載されている実験条件と異なった場合は実際の実験条件を記載し,テキストに書いてはあるけど実際にはやらなかった実験手順などは書かないようにしましょう。
実際に行ったことを書くので,すべて過去形で記述することを覚えておきましょう。
また,実験で使用した実験器具の名称もあわせて書くようにします。
詳しくは,以下の記事を参考にしてください。
実験レポートの実験方法の書き方と注意点
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④結果
次に結果を記述していきます。結果には実験で得られた実験データを客観的に示すことになります。ここで重要なのが「客観的に」という点です。つまり,主観を入れてはいけないということです。ここでいう客観的に示すとはどういうことかというと,実験で得られた数値などから作成したグラフや表などから見たままのことを記述するということです。
例えば,以下のようなグラフを作成できたとすると結果には,「xが大きくなるにつれてyも大きくなっている」と記述するのがひとつです。
しかし,例えば「xとyが比例している」というのは少し安直な考えです。本当にこのグラフは比例しているのでしょうか。それについてはデータ分析を挟んで判断する必要があります。このグラフの場合は線形近似をしてR2値を検討するなどして,比例するかどうかを判断する必要があります。比例する根拠が今までの研究結果から明らかな場合は次の考察に書くことになります。
また,結果も実験方法と同様に過去形で記述するようにします。
⑤考察
結果を記述できたら次は考察に入っていきます。考察は,得られた結果がなぜそのようになったのかという理由を客観的なデータに基づき記述する項目です。ここでも重要なのが,客観的なデータを基にするという部分です。客観的なデータというのは,他の文献などの第三者の示したデータのことです。「過去に〇〇ということが知られているから,この結果は□□に違いない」といった感じで書きます。
考察は現在形で記述します。
間違っても考察に,感想や反省は書かないようにしましょう。
考察の書き方の詳細は下記の記事を参考にしてください。
実験レポートの考察の書き方
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+α 結果および考察(おまけ)
実験担当者によっては,結果と考察をひとつの項目にまとめて「結果および考察」としてもよいという指示があります。
個人的には,結果と考察はひとつの項目にまとめた方が書きやすいのでおすすめです。なぜかというと,実験で得られる結果は通常複数であるため,結果と考察を分けてしまうと,考察を書くときにいちいち結果との対応を確認する手間が増えるからです。
結果と考察をまとめて書く場合は,「図1から〇〇ということがわかった。これは,□□だからと考えられる。」という流れで記述するのが良いと思います。
ここで重要なのが,結果と考察の区別があいまいにならないようにきちんと表現を使い分けるということです。上の例文では,前半の「〇〇ということがわかった」というのは結果で,後半の「これは□□だからと考えられる」というのが考察というのが文章表現だけで区別されているため明確ですよね。
この文章表現がぐちゃぐちゃだと,どの部分が結果でどの部分が考察なのか読み手に伝わらないので,きちんと結果と考察は区別して記述するようにしましょう。
⑥結論
次に結論です。目的のところで説明しましたが,結論と目的は対応関係にないといけません。では結論はどのように書けばいいのでしょうか?
結論は,得られた結果からピックアップするか,それらの結果をまとめて結論とすることもできます。例えば,結果A,結果B,結果Cが得られたなら,それらの3つの結果を統合して,「結局何が言えたのか」を意識してまとめてみましょう。それを結論に書きます。まとめるのが難しい場合は,結果Bだけをピックアップし,それをそのまま結論に書いてしまいましょう。
学生実験で実験採点者が注目しているのは,「結論と目的がきちんと対応関係にあるか」といことであり,それを採点基準にしている場合がほとんどであるため,結論に相当変なことを書かない限りなんでもいいと思います,というのが僕の個人的な意見です。
詳しい結論の書き方は以下の記事で紹介しています。
実験レポートの目的と結論の書き方
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⑦原理(理論)
原理には,結果や考察で用いる数式や前提知識を記述します。数式を挿入する際は,数式番号を振ること忘れないようにしてください。原理に,前提知識を事前に記述しておくことで,結果や考察で「(1)式より」などというように式を参照することができます。
原理は目的と同様,背景の一部に含める場合もあります。重要なのが,背景の文章を稼ぎたいがために,原理を長々と書かないようにするということです。また,背景と原理は自然につなげるようにしなければいけません。
背景は本当に苦戦すると思いますが,練習あるのみです!
以下の記事に原理の詳しい書き方を掲載しています。
実験レポートの原理の書き方とポイント
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⑧感想
レポートによっては感想を書かせる場合もあります。感想なので,おもしろかったとかびっくりしたとかでいいと思います。おまけ程度の場合が多いので適当に埋めておきましょう。文字数指定がある場合はその文字数に従いましょう。逆にちゃんと採点されていそうであれば,適当に書かずにそれっぽく書いておきましょう。実験の反省とか改善点などを書くといいでしょう。
また,「感想があれば」という文言があれば,感想は無理に書かなくていいと思います。「あれば」なんですから。もしそれで,「なんで書いていないんだ」と言われれば,「『あれば』って書いてたんで」と必ず反論しましょう。
⑨参考文献
最後は,参考文献です。背景や考察の部分で特に参考文献を参考にする場合が多いと思います。学生実験では参考文献はそこまで細かく見られませんが,参考にした部分はできるだけ文献を参考にしたことを明記しておきましょう。
明らかに文献を参考にしたであろう文章に何も参考文献の番号が振られていなかったら,さすがに読み手にも伝わってしまうので,最低でもレポート全体で3つは参考文献を参考にしたことを明記しておきましょう。
参考文献の詳しい書き方は以下の記事を参考にしてください。
実験レポートの参考文献の書き方とコツ
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各項目のまとめ
各項目のまとめ
- レポートを書く順番は,実験方法 ⇒ 結果・考察 ⇒ 結論 ⇒ 背景
- 背景
- 「なぜその実験を行うに至ったのか」を書く
- 逆三角形を意識する
- 目的
- 実験結果を得るための目的を書く
- 結論と対応させる
- 実験方法(実験手順)
- 実験当日に行ったことのみを書く
- 過去形で記述する
- 実験器具もあわせて記載する
- 結果
- 実験で得られた実験データを客観的に示す(見たままのことを書く)
- 過去形で記述する
- 考察
- 結果に対するなぜ?を示す
- 現在形で記述する
- 結論
- 目的と対応させる
- 結果をまとめてひとつの結論としてまとめる
- 原理(理論)
- 結果や考察で用いる数式や前提知識を記述する
- 感想
- 実験の反省や改善点を書く
- 参考文献
- 最低3つは記載しておく
レポートを書き終わったら
レポートが書き終わったら,それで終わりにしてはいけません!必ず確認しなければならないことがいくつかあります。特に,誤字脱字は99%の確率で見つかると思います。正直誤字脱字で減点されるケースはまれですが,減点されて時のことを考えると,悔やみきれないので最後まで気を抜かずにやり切りましょう!確認事項は,
確認事項
- 誤字脱字がないか
- ページ番号と学籍番号が抜けていないか
- 参考文献の番号が抜けていないか
- 式番号は入っているか
- 数式,図表に単位が書かれているか
です。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
実験レポートの作成完了から提出までの流れ
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提出について
PDFへの変換
そして,上記の5つの確認が取れたら,最後にワードファイルのレポートをPDFに変換します。
ワードからPDFへの変換は,ワード上の「ファイル」⇒「エクスポート」⇒「PDF/XPSの作成」からでも構いませんし,I♡PDFというオンラインツールを使うのもいいでしょう。どちらにせよ,レポートの確認事項をクリアしてからPDFに変換しないと,間違いがあった時にめちゃくちゃ落ち込むのでそれだけは避けましょう。
次に,チェックリスト,レポート表紙を作成したらそれもPDF変換してしまいましょう。これも変換する前に間違いがないか確かめておきましょう。チェックリストはすべてにチェックを入れてPDF保存して使いまわしましょう。
レポート表紙は毎回記述する,名前,学籍番号,共同実験者名などだけ入力しておき,ワードのテンプレートファイルとして保存しておくと,新規ファイルを開いた状態ですでにそれらが入力された状態で表示されるようになります。
詳しい説明は以下の記事で解説しています。
実験レポートの作成完了から提出までの流れ
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PDFの結合
いよいよ最後です。最後に,チェックリスト,レポート表紙,レポート本文の3つのPDFファイルをひとつのファイルに結合していきます。使うツールはI♡PDFです。
I♡PDFには,PDFに関する様々なツールが用意されている上,サクサク動作するため個人的には重宝しています。
I♡PDFのホーム画面から「PDF結合」を選択し,チェックリスト,レポート表紙,レポート本文の3つのPDFファイルを選択します。後は,手順に従っていただければ結合されたPDFがPCの指定した場所に保存されていると思います。保存される場所をわかりやすくするため,保存場所はデスクトップに設定しておくことをおすすめします。
後は,ファイル名を指定されたように変更し提出しましょう。
提出のまとめ
提出のまとめ
- レポート表紙・チェックリスト・レポート本文をPDFへ変換する
- 3つのPDFをI♡PDFでひとつのPDFに結合する
- 全力で提出する
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます!!
一緒に実験レポートを乗り越えましょう!